かぼちゃ、または南瓜とも呼ばれるこの野菜は、
煮物にするとほくほくとした食感が楽しめ、
ポタージュにするとなめらかで美味しい一品となります。
スイーツやケーキにも変身し、まさに多才な野菜です。
近年ではハロウィンの影響でかぼちゃ=ジャコランタンのようなイメージを抱く人も増えています。
ただし、かぼちゃといっても、甘みの強い西洋かぼちゃ、日本かぼちゃ、
そしてハロウィンで使用される巨大なかぼちゃなど、さまざまな種類が存在します。
この記事では、かぼちゃを3カテゴリーに分け、27品種にわたって紹介します。
かぼちゃの多様性:「日本かぼちゃ」「西洋かぼちゃ」「ペポかぼちゃ」
かぼちゃはその甘みとほっこり感で広く愛されています。
品種も多岐にわたり、色々なかぼちゃを試すことが楽しいです。
大まかに分けて、「日本かぼちゃ」「西洋かぼちゃ」「ペポかぼちゃ」の3つに分類されます。
西洋かぼちゃの品種一覧
西洋かぼちゃは一般的に甘みが強く、店頭でよく見かけるもののほとんどがこれに該当します。
非常にほくほくしており、栄養価も高い野菜として知られています。
β-カロテンに関しては、日本かぼちゃよりも5.5倍も多いです。
以下は西洋かぼちゃの主な14品種です:
- 黒皮栗かぼちゃ
- ロロンかぼちゃ
- 赤皮栗かぼちゃ
- 雪化粧かぼちゃ
- 坊ちゃんかぼちゃ
- 長かぼちゃ
- コリンキーかぼちゃ
- プッチィーニかぼちゃ
- 鈴かぼちゃ
- すくなかぼちゃ
- えびす南瓜
- こふきかぼちゃ
- 味平かぼちゃ
- ダークホースかぼちゃ
日本かぼちゃの品種一覧
日本かぼちゃは水分が多く、煮崩れにくい特徴があります。
日本かぼちゃは1960年代までに日本で広く栽培されていた品種の総称で、
ポルトガルから16世紀に伝えられました。
ねっとりとした食感があり、でんぷん質が少なく、
甘みが控えめでさっぱりとした味わいが特徴です。
日本かぼちゃの主な7品種:
- バターナッツかぼちゃ
- 小菊かぼちゃ
- 菊座かぼちゃ
- 島かぼちゃ
- 鶴首かぼちゃ
- 黒皮かぼちゃ
- 鹿ヶ谷かぼちゃ
ペポかぼちゃの品種一覧
ペポかぼちゃは元々北米南部で作られていた品種で、
春の訪れを告げる野菜として親しまれています。
日本での栽培は以前は少なかったものの、近年では金糸瓜などが普及しています。
淡泊な味わいで、他の野菜や肉料理のお供になります。
ペポかぼちゃの代表的な6品種:
- 韓国かぼちゃ
- ズッキーニ
- カボッキー
- アトランティックジャイアント
- そうめんかぼちゃ
- ハロウィンかぼちゃ
さまざまなかぼちゃの種類を紹介:10選
- 日本かぼちゃ:えびす
- スーパーなどでよく見かけるかぼちゃで、果肉はオレンジ色に近い濃い黄色で、粘質がかった紛質で美味しいです。日本の環境に適しているため、「えびす」がほとんど流通しています。
- 日本かぼちゃ:ダークホース
- 粘質が強く、ほっこりしているのが最大の特徴です。やや尖ったお尻から中身はハート型になっています。見た目も「えびす」とは異なりますが、ほっこりとした味わいが楽しめます。
- 日本かぼちゃ:味平
- 小ぶりで粉質であり、味も良いため人気の品種です。7〜8月頃が収穫の時期です。
- 日本かぼちゃ:こふき
- 重量感があり、黒川が特徴で味も高品質です。重さは1.8kg〜2.4kgで、果肉は濃い着橙で、明るく煮がります。
- 日本かぼちゃ:ロロン
- ラグビーボールのような変わった形をしており、肉質はきめ細やかで上品な味わいがします。大きさも「こふき」と同じくらいの重量感があります。
- 日本かぼちゃ:くりゆたか
- えびす系のかぼちゃで、最高ランクに位置づけられています。ほくほく感と甘みが強いのが特徴です。
- 日本かぼちゃ:ほっこりえびす
- 肉質の密度が高く、栗のようなほくほく感があり、甘みが強くて美味しいです。大きさも「えびす」と同等です。皮は濃緑色で、果肉は濃黄色で見た目も良いです。
- 西洋かぼちゃ:バターナッツ
- アメリカで人気のかぼちゃであり、日本でも注目を集めています。形はひょうたんのようで、ねっとりとした食感とコクがあり、ポタージュに適しています。
- 日本かぼちゃ:雪化粧
- 白いかぼちゃで、通常のかぼちゃが品薄の時期に見られます。北海道が出荷しており、強いほくほく感と優れた貯蔵性があります。
- 日本かぼちゃ:赤皮栗
- 皮が朱色で、金沢の「加賀野菜」として知られています。福島県で作られており、伝統野菜として広く栽培されています。
- 西洋かぼちゃ:プッチィーニ
- 手のひらサイズで黄色く、見た目はおもちゃのようですが、食べられるかぼちゃです。果肉は黄橙色で粉質で、独特の味わいに甘みがあります。電子レンジで加熱するだけでも美味しく食べられます。
かぼちゃの由来
カボチャの名前の由来は実はカンボジアと似ていることにあります。
ポルトガル人がカンボジアの産物を日本にもたらしたことがきっかけで、
「カボチャ」と呼ばれるようになりました。
かつては「カボチャ瓜」と呼ばれ、後に「瓜」が省かれて、現在のかぼちゃになりました。
また、「南瓜」は南蛮貿易時代の瓜を指し、
中国でも「南瓜(ナングァ)」と呼ばれています。
言葉だけでなく、由来もカンボジアに関係しています。
かぼちゃの旬の時期
カボチャの植え付けから収穫まで
植え付け:4月上旬から6月下旬
収穫:6月から9月 カボチャは夏に収穫されますが、その頃に既に食べられていることもあります。
「冬至かぼちゃに年取らすな」
保存はきくものの、冬至を過ぎると品質が劣化するため、年内に食べることが推奨されています。
かぼちゃの出回り時期は9月
7月から8月に収穫されたかぼちゃは、収穫から約3ヶ月寝かせた状態で旬を迎え、
特に9月に多く出回ります。
おいしいかぼちゃの見分け方
美味しいカボチャを選ぶ4つのポイント
- 白い粉が表面を覆っているものを選ぶ
- 乾いたヘタと周囲がへこんでいるものを選ぶ
- 皮の緑色が濃く、重いものを選ぶ
- 形が整っているものを選ぶ 切った状態では、色濃くふっくらとした果肉があり、種が詰まっているものがおすすめです。
カボチャの生産量ランキング
国内トップは北海道、鹿児島、茨城
- 北海道:105,700トン
- 鹿児島県:10,800トン
- 茨城県:8,400トン
- 長崎県:7,130トン
- 宮崎県:5,520トン
- 長野県:5,510トン
- 千葉県:5,130トン
- 神奈川県:3,480トン
- 沖縄県:3,290トン
- 青森県:2,800トン
北海道がダントツの生産量を誇り、国内構成比率から見ても約50%のシェアを占めています。
世界のかぼちゃ生産量
中国が圧倒的なトップ
- 中国:7,100,000 t
- インド:4,900,000 t
- ロシア:1,128,205 t
- イラン:897,293 t
- アメリカ:796,872 t
- ウクライナ:610,800 t
- メキシコ:544,988 t
- エジプト:543,334 t
- スペイン:533,200 t
- イタリア:530,000 t
※この統計にはズッキーニやキンシウリ(そうめんかぼちゃ)、バターナッツなども含まれています。
特に中国が圧倒的な生産量を誇り、全世界の3割を占めています。
中国ではカボチャの種を食べる習慣が根付いており、
食用だけでなく家畜の飼料としても利用されています。
かぼちゃの栄養
かぼちゃの栄養成分表(日本かぼちゃ可食部100gあたり)
- エネルギー:49kcal
- 水分:86.7g
- たんぱく質:1.6g
- 炭水化物:10.9g
- カリウム:400mg
- カルシウム:20mg
- マグネシウム:15mg
- 鉄:0.5mg
- ビタミンA(β-カロテン当量):730ug
- ビタミンE:1.8mg
- ビタミンB1:0.07mg
- ビタミンB6:0.12mg
- ビタミンC:16mg
- 食物繊維総量:2.8g
かぼちゃはβ-カロチンが豊富であり、
ビタミンB1、B2、C、カルシウム、鉄などもバランスよく含まれています。
これらの栄養素は免疫力を向上させ、ホルモン調整機能もサポートします。
また、かぼちゃの種や皮にもβ-カロチンや食物繊維が豊富に含まれており、
特に種には実の2倍の食物繊維があります。
β-カロチンの2つの効果・効能
- アンチエイジング・ガン予防効果:β-カロチンは活性酸素や過酸化脂質を除去し、細胞を活性化させ、がんや老化などに効果があります。
- ダイエット効果:かぼちゃに含まれる食物繊維は便秘の予防や改善に役立ち、少量で満足感を得られるため、置き換えダイエットにも適しています。
かぼちゃの保存方法(常温・冷蔵・冷凍)
冷凍保存:10日~14日が目安
冷蔵保存:7日~30日が目安
常温保存:60日~90日が目安
かぼちゃは冷凍保存する場合、1口サイズに切って固ゆでするか、
電子レンジで加熱して冷めたら1食分ずつラップで包み、冷凍用保存袋に入れて保存します。
冷蔵保存や常温保存も可能ですが、丸ごとのかぼちゃは1カ月程度が限度で、
カットしたものはラップで包んで保存します。
かぼちゃの種類まとめ
かぼちゃは多くの品種があり、店頭になくてもネット販売などで手に入ることもあります。
様々な種類を試して、一番好みのかぼちゃを見つけてみてください。