5月に差し掛かると、家の壁、ベランダ、公園のコンクリート階段などで
小さな赤い虫を見かけることがあります。
この虫は実はダニで、吸血性ではないため直接の害はありませんが、
家の壁に集まると不快な気分になります。
そこで今回は、この小さな赤い虫の生態と駆除方法について紹介します。
小さい赤い虫の正体は?
これらの小さな赤い虫はダニで、
その中でも5月に現れるものは「タカラダニ」と呼ばれます。
全国的に見られ、体長は1~2.7mmほどですが、
赤い体色が目立つため、多くの方が見覚えがあるかもしれません。
タカラダニは吸血せず、花粉や昆虫を食べる雑食性です。
春に卵から孵化し、5月に成虫となって私たちの周りに現れます。
産卵後は死亡するため、確認できる期間は5月から7月くらいまでです。
タカラダニは主にコンクリートやブロック塀に発生し、
湿気がある場所だけでなく、乾燥した場所でも見られます。
コンクリートの小さな穴に花粉が付着しやすく、
これがタカラダニの集まる理由とされています。
小さい赤い虫は人体に被害がある?
タカラダニは見た目から危険な虫と思われがちですが、
健康に対する被害は報告されていません。
人やペットに対する健康被害はほとんどなく、
潰すと体液が赤くなり、衣類や寝具に付着する可能性があるため注意が必要です。
ただし、潰した場合は迅速に洗い流し、
アレルギー反応が起こらないように心掛けましょう。
屋外の小さな赤い虫の駆除方法
屋外で小さな赤い虫を見かけた場合、
どのようにしてこれを駆除すれば良いのでしょうか。
水で洗い流す:
タカラダニは非常に小さいため、水の流れに弱い特性があります。
庭やコンクリートの塀に多く発生してしまった場合は、
ホースを使って洗い流すことが簡単な方法です。
殺虫剤の使用:
水で洗い流すことが難しい場合や、
根本的な駆除・予防が必要な場合は、殺虫剤が役立ちます。
ダニ専用のスプレーや不快害虫用のスプレーを使用すると良いでしょう。
ただし、タカラダニは小さな虫なので、
スプレーする際は30cm以上離れた位置から吹きかけるように心掛けましょう。
殺虫剤を使用した後は、死骸が残る可能性があるため、
必ず掃除機で吸い取るか水で流すようにしましょう。
中性洗剤スプレーの利用:
殺虫剤を使用したくない場合は、
台所用の中性洗剤を利用することも一つの方法です。
水に中性洗剤を少量混ぜ、スプレーしてください。
これでタカラダニは動かなくなります。
その後、掃除機で吸い取るか、水で流してください。
部屋に侵入する小さい赤い虫の駆除方法
タカラダニが室内に侵入することがあります。
これらの小さな赤い虫を駆除する際には、特に赤い体液に注意が必要です。
掃除機をかけて吸う:
タカラダニは潰すと赤い体液が飛び散り、
ジュータンなどについてしまう可能性があります。
そのため、潰さずに駆除することが重要です。
掃除機を使用して吸い取ると、赤い体液が飛び散る心配がありません。
駆除後は、紙パックごと簡単に処理できます。
粘着テープで捕獲する:
タカラダニを見つけたら、粘着テープを使用して捕獲することも有効です。
粘着テープを使う際には、強く押し付けないように注意しましょう。
力を入れ過ぎると赤い体液が飛び散る可能性があります。
特に衣類に付着した場合は、慎重に捕獲してください。
捕獲後は粘着テープを剥がして、燃えるゴミとして処分しましょう。
小さい赤い虫を予防する方法
これらの小さな赤い虫を見たくない場合は、予防が大切です。
コンクリートを水で洗う:
タカラダニが好む花粉が付着したコンクリートを水で洗い、
エサ場を作らないようにしましょう。
コンクリートの亀裂に卵が産みつけられている可能性もあるため、
高圧洗浄機などを使用して隙間の卵を洗い流すことで、
翌年の発生を抑えることができます。
防水材を塗る:
タカラダニの発生が続いている場合は、
家の壁に防水材を塗ってみることも一考です。
業者に依頼することが必要ですが、試してみる価値があります。
洗濯物や布団を取り入れる際にはよく払う:
タカラダニの成虫が活発になる5~7月には、
洗濯物や布団を取り入れる前によく払って、
部屋に虫を入れないようにしましょう。
忌避剤を使う:
タカラダニが嫌がる忌避剤を使用することもおすすめです。
ベランダのサッシなどに散布しておくと、室内への侵入を防ぐことができます。
ハッカ油は忌避剤としてだけでなく、
消臭効果もあるため、選択肢として考えてみてください。
まとめ
体長1~2.7mmの小さい赤い虫はタカラダニで、
5~7月にコンクリート塀などでよく見られます。
健康被害はほとんどないものの、注意して駆除する必要があります。
掃除機や粘着テープを使った駆除方法を試してみましょう。
また、予防のためにはコンクリートの清掃や防水材の利用、忌避剤の使用などが有効です。