家電製品を使用する際に必要なコンセントとプラグの違い、
それに関連する種類や交換方法、費用について詳しく解説します。
コンセントとプラグの違いとは？
コンセントとプラグは日常的に使われる言葉ですが、正確に使い分けられているでしょうか。
どの部分がコンセントで、どの部分がプラグなのか、
実は意外にもっと曖昧なことがあります。
まずはその違いを簡単に解説します。
コンセントは差し込む穴であり、プラグは突起
コンセントは壁などに埋め込まれた差し込み口のことを指し、
したがって「コンセントを挿して」は通じる表現でも、厳密には誤りです。
一方、プラグは電源コードの先端の突起部分を指します。
言い換えれば、「プラグを挿して」が正しい表現です。
覚えておくと良いのは、「凹がコンセントであり、凸がプラグ」です。
差し込み口の種類について
ほとんどが縦型の穴が左右に一つずつあいているA型が日本で一般的なコンセントです。
対応するプラグも通常2本の突起になっています。
しかし、世界各地には様々な差し込み口の形状が存在します。
- B型・C型・SE型：丸い差し込み口が左右に一つずつある
- B3型：丸い差し込み口が左右に一つずつ、その上に太めの丸い差し込み口が一つある
- BF型：B3型と同じ配置だが、丸ではなく四角い差し込み口がある
- O型：ハの字に四角い差し込み口があり、その下に縦に四角い差し込み口が一つある
- O2型：O型を上下逆にしたもの
日本の近隣諸国でも、コンセントやプラグの規格が異なります。
たとえば、韓国ではC型・SE型、
台湾ではA型・O型、
中国ではA型・B型・B3型・BF型・C型・O型・SE型が使用されています。
また、電圧も国や地域によって異なり、留意が必要です。
日本では一般的に100Vが使われていますが、
海外では110〜240Vなど高い電圧が一般的です。
電化製品には対応している電圧が表示されているので、注意が必要です。
海外へ電化製品を持参する際には、現地の電圧に対応する変圧器が便利です。
ただし、すべての電化製品が変圧器で使用できるわけではないため、注意が必要です。
コンセントとプラグに関する雑学
コンセントとプラグにまつわる知識の中で、
意外にも知られていない興味深い情報を紹介しましょう。
コンセントの左右の差し込み口は大きさがわずかに違う
左の差し込み口は9mm、右は7mmという微細な違いがあります。
これは右が「ホット」であり、左が「コールド」と呼ばれ、
それぞれ異なる役割を果たしています。
ホットは電流を送り込む役割を果たし、
一方でコールドは電流を帰す・逃がす役割があります。
電圧が過剰な場合、コールドが電流を逃がすことで火災などのトラブルを防いでいます。
プラグの先端には小さな「穴」がある
これは、コンセントに差し込んだプラグが簡単に抜けないようにするための仕掛けです。
コンセントの差し込み口の奥に小さな突起があり、
これがプラグの穴に引っかかることで抜けにくくなります。
壁のコンセントの修理や交換、増設は自分で（DIY）できる？
これまでにコンセントとプラグの違い、種類、豆知識について解説してきました。
次に、コンセントの修理や交換、増設が自分で行えるかどうか、
そしてDIYを考えている方のために解説します。
軽微な工事であれば、自分で交換できる場合がある
例えば、差込み接続器やねじ込み接続器、
ソケットなどを接続する工事（電圧600V以下のもの）、
小型変圧器に関わる二次側の配線工事（ニ次電圧36V以下のもの）、
電気機器の端子に電線をねじ止めする工事などがその例です。
修理や交換、増設に電気工事士の資格が必要なもの
電流に直接触れる可能性がない場合は素人でもできることもありますが、
差し込み口の奥など配線に関する工事は電気工事士の資格が必要です。
電線を接続する、電線相互を接続する、
電線を電圧600V以上の電気機器に接続するなどの工事には資格が必要です。
電気工事に関するリスクを理解し、
安全を確保するためにも、専門の有資格者や業者に依頼する方が安心です。
常に感電や火災などの危険が伴うため、慎重な対応が必要です。
壁のコンセントを交換・増設する際の費用の目安
コンセントの交換や増設にかかる費用は、
業者によって異なり、条件や作業内容によっても変動します。
以下はおおよその費用の目安です。
コンセントの交換費用の目安
業者により異なりますが、1箇所あたり約3,500円から始まります。
複数箇所をまとめて交換する場合、2箇所目以降の料金が異なることも考慮しましょう。
コンセントの増設費用の目安
コンセントを増設する場合の費用は約5,000円から30,000円程度です。
出張費や部品代などが追加でかかることもあります。
業者による見積もりを比較し、最適な選択を検討しましょう。
費用を抑える方法
費用を抑えるためには、電気配線図を事前に用意しておくと作業がスムーズに進みます。
また、複数の業者から見積もりを取り、相見積もりを行うことで費用を比較しやすくなります。
慎重に比較して、適切な業者を選ぶことが重要です。
壁のコンセントを交換すべき時期はどう判断する？
コンセントを交換すべきかどうかは、以下のポイントを考慮して判断できます。
破損やひび割れ
コンセントに破損やひび割れが見られる場合は、
すぐにでも交換を検討しましょう。
これらのダメージが積み重なると、電気の漏れや火災の危険性が高まります。
異常な熱を持つ
コンセントが触れるほどの異常な熱を持っている場合、交換が必要です。
安全のためにも早急な対処が必要です。
変色や変形
カバー部分に変色や変形が見られる場合、古いコンセントである可能性が高いです。
古くなったコンセントは交換が適切です。
プラグの差し込みが緩い
プラグを差し込んでも緩く、すぐに抜ける場合は、
内部の金属端子が歪んでいる可能性があり、交換が必要です。
コンセントカバーであれば自分で交換できる場合もある
コンセントの交換は電気工事士の資格が必要ですが、
カバーの交換のみであれば、自分でもできることがあります。
コンセントカバーとは
コンセントカバーは、コンセントを設置した壁の穴を隠すための部品です。
コンセントの数やタイプによって異なる種類のものがあります。
交換方法
新しいコンセントカバーとマイナスドライバーを用意し、以下の手順で交換できます。
-
- マイナスドライバーを使って古いカバーを外します。
- カバーにあるネジを外し、新しいカバーを取り付けます。
- 最後に新しいカバーを取り付けて作業完了です。
注意点
作業の際は安全を確保するため、
濡れた手や工具での作業は避け、
ブレーカーを切ってから作業を行います。
また、電線に触れないよう十分に注意しましょう。
まとめ
コンセントとプラグは混同されがちな言葉であり、
コンセントは壁に設置された穴を指し、プラグはその差し込む部分を指します。
プラグの形状や国ごとの規格の違いにも留意する必要があります。
また、コンセントの交換や増設には業者に依頼することが一般的であり、
費用は業者や作業内容によって変動します。
コンセントの交換時期は破損や異常な熱、変形などのサインに注意し、早めの交換が安全です。
また、コンセントカバーの交換はDIYで行える場合もありますが、
安全を確保するために慎重に行う必要があります。
